自由診療(保険適用外)
長石ポーセレンベニア・ノンプレップ(2枚)
先天的な上顎側切歯の矮小歯(peg lateral)。


治療内容・費用・期間
- 患者プロフィール
- 女性・30代
- 診断
- 先天的な上顎側切歯の矮小歯(peg lateral)。
- 治療内容
- 上顎側切歯(#12・#22)に長石ポーセレンベニア2枚、ノンプレップ(エナメル質を削らない)。あわせて専門的クリーニング、ベニア製作前のホワイトニング、装着後のナイトガード。
- 使用材料
- 長石ポーセレン(ノンプレップ)
- 治療期間
- 約3ヶ月
- 通院回数
- 7回
- 費用
- 自由診療 計¥596,400(税込)。内訳: ベニア¥249,900×2(治療当時の価格)+クリーニング・ホワイトニング・ナイトガード。※費用は治療当時のものです。長石ベニアの料金はその後改定されています。現在の料金は料金表をご確認ください。
主なリスク・副作用
- ノンプレップのためエナメル質は削らないが、接着のため表面の軽度な処理が必要な場合がある
- 長石ポーセレンは審美性が高い一方プレスセラミックより脆く、過大な力で欠け・割れの可能性
- 経時的な脱離の可能性(再接着が必要な場合あり)
- 接着後の一過性の知覚過敏
- 色は接着前に合わせ後から調整不可。ホワイトニングはベニア製作前に完了が必要
- ナイトガードの定期的な使用を強く推奨
- まれに適合・審美性が不十分な場合は再製が必要
自由診療(保険適用外)。治療結果には個人差があります。掲載は患者さまの書面による同意を得ています。
フェルドスパシック vs IPS e.max ベニア — 材料の選び方
ベニアの2つの作り方
ベニアとは、歯の前面に接着する薄いセラミックのシェルで、形・色・歯並びの印象を整えます。適切に行えば天然歯の大部分を残せるため、笑顔を変える方法の中でも最も保存的な選択肢のひとつです。
ベニアの仕上がりの差は、突き詰めると2点に集約されます。技工士の技量と、ベニアの“材料”です。ハイエンドなベニアに使われる材料は、手作業で築盛するフェルドスパシック・ポーセレンと、プレス/ミリングで製作するリチウムジシリケート(IPS e.max のブランド名で知られる)の2種類です。
これは同じものの“良い版・劣る版”ではありません。両者は性質が異なり、適する歯も、必要な歯の削除量も違います。このトレードオフの理解こそが、ご自身の治療計画を理解する鍵です。だからこそ RODIN は一方に固定せず、両方を扱っています。
フェルドスパシック・ポーセレンベニア
フェルドスパシックベニアは、技工士が微細なポーセレン粉末と筆を用い、一層ずつ手作業で築盛します。非常に薄く(目安 0.3〜0.5mm)作れるため、歯の削除量を最小限に抑えた保存的な形成が可能で、条件の良い症例では最小限〜無削除での接着もできます。
手作業の積層は、透明感・内部の色・表面性状を緻密にコントロールできます。天然エナメル質の繊細な深みや“生命感”の再現、あるいは前歯1本を左右の歯に合わせる——歯科で最も難しい審美課題——を重視する場合に、フェルドスパシックが選ばれる理由です。
トレードオフは強度です。薄くフェルドスパシック系であるため、リチウムジシリケートより破折に対する強度は一般に劣り、仕上がりは技工士の芸術性に大きく左右されます。削除量を抑えた審美最優先の症例と、経験豊富なラボでこそ真価を発揮します。
- 選ばれやすい場面: 歯質の削除を最小限にしたいとき
- 選ばれやすい場面: 前歯1〜2本を天然の隣在歯に合わせるとき
- 強度: リチウムジシリケートより低め — 審美優先の前歯部に好適
IPS e.max(リチウムジシリケート)ベニア
IPS e.max ベニアはリチウムジシリケート(ガラスセラミック)製で、プレス成形・ミリングにより均一で再現性の高い品質が得られます。フェルドスパシック・ポーセレンと比べて曲げ強度が大きく高く、より幅広い症例で扱いやすい材料です。
なお高い透明感も備えるため審美的な上限も高く、さらに下地のある程度の変色(失活して暗くなった歯など)をマスキングできるだけの厚み(ボディ)も持ちます。極薄のフェルドスパシックでは透けてしまう変色も隠しやすくなります。
完全な手作業ではなくプレス/ミリングで製作するため再現性が高く、特定の技工士の手腕への依存も比較的小さくなります。最も薄いフェルドスパシックよりわずかに削除量が増えることがありますが、差は小さく、症例ごとに判断します。
- 選ばれやすい場面: 強度と審美性のバランスが必要なとき
- 選ばれやすい場面: 下地の変色をある程度隠したいとき
- 選ばれやすい場面: 複数歯をまとめて整え、均一感を出したいとき
どの患者さまにどちらが適するか
「最良の」ベニアが一つに決まるわけではなく、適した選択は症例によって異なります。フェルドスパシックは削除量を最小限にした審美最優先の前歯部や1本の色合わせで選ばれることが多く、e.max は強度と審美性のバランス・適応の広さ・変色のマスキングが必要な場合に選ばれることが多い材料です。
提案には複数の要素が関わります。土台となる歯の状態と色、咬み合わせ(強い咬合や歯ぎしりの習癖があれば強度の高い材料に傾きます)、目標の色調、対象本数などです。場合によっては、同じ口の中でも歯によって材料を使い分ける“組み合わせ”が答えになることもあります。
形成・寿命・お手入れ
いずれの材料もエナメル質をわずかに永久的に削り(最も薄いフェルドスパシックで最小)、その上で歯に接着します。エナメル質を削るため、ベニアは元に戻せる治療ではありません。形成前に必ず計画を書面でご確認いただきます。
質の高いポーセレンベニアで一般に言われる寿命は、適切なケアでおおむね10〜15年程度です。これは“一生もの”の保証ではなく、咬み合わせ・習癖・お手入れにより個人差があります。欠けや脱離が生じ、いずれ再製が必要になることもあります。
日常は天然歯と同じケアです。毎日のブラッシングとフロス、前歯で非常に硬いものを噛まないこと。夜間に歯ぎしりがある場合は、ベニアを守るためナイトガード(保護用マウスピース)をおすすめすることが多いです。
RODIN が両方を提供する理由
RODIN がフェルドスパシックと e.max の両方を扱うのは、単一の材料に絞ると一部の症例で妥協が生じ、医院が在庫する材料に患者さまを合わせることになりかねないからです。私たちは“歯に選ばせる”方針です。
材料は計画段階で、技工士と連携しながら症例に最適なものを選び、治療開始前に書面でご確認いただきます。何をするかだけでなく、なぜその材料を選んだのかまでご理解いただけます。
材料の選択は個々の症例に応じて行います。本内容は一般的な情報であり、治療を推奨するものではありません。結果には個人差があります。
よくあるご質問
ベニアは元に戻せますか?
ベニアはエナメル質をわずかに(フェルドスパシックは最小限)永久的に削るため、元に戻すことはできません。形成前に計画を書面でご確認いただきます。
歯はどのくらい削りますか?
削るのはエナメル質の薄い層のみで、目安は約0.3〜0.5mm。極薄のフェルドスパシックでは最小(条件が良ければ最小限〜無削除)です。正確な量は歯ごとに計画します。
ベニアはどのくらい持ちますか?
適切なケアにより、ポーセレンベニアは一般におおむね10〜15年程度持つとされます(一生ものの保証ではありません)。寿命は症例・咬み合わせ・お手入れにより異なり、欠けや脱離が生じ、いずれ再製が必要になることもあります。
e.max とフェルドスパシック、どちらが良いですか?
どちらが優れているとは一概に言えません。最適な選択は症例(削除量・審美性・強度・マスキング)によります。フェルドスパシックは保存性と1本の芸術的再現に、e.max は強度と審美のバランスや幅広い症例に向きます。歯ごとに選び、治療前にご確認いただきます。
ベニアは自然に見えますか?
それを目指します。色調・透明感・形態を技工士と計画し、お顔や隣在歯と調和させます。最も自然な1本の色合わせが必要な場面では、手作業のフェルドスパシックがまさに用いられます。
ベニアは着色しますか?
グレーズされたポーセレンは着色に強く、天然エナメル質より着色しにくい一方、接着の境目やご自身の天然歯はコーヒー・紅茶・赤ワイン・喫煙で着色し得ます。ホワイトニングではベニアの色は変わらないため、製作前に色調を決めます。
次のステップ
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